一般社団法人 てんとうむし

ABAとは
ABAとは、応用行動分析を指し、環境をどのように変えれば行動の頻度が変化し、また、新しい行動を獲得していくのか、これを理解するための学問です。
そして、応用行動分析を用いた療法が行動療法です。
行動療法とは、不適応行動は誤った学習や条件付けによるとして、学習理論に基づいて適応行動に変えていこうとする心理学的な臨床技法で、その方法は科学的実証に基づいています。

ABAを行っていくことで
■社会的に、望ましい行動を伸ばしていき、社会的・人と関わる上で不適切と考えられる行動を減らして行くこと
■教えていきたいこと1つ1つを細かく分析し、子どもに応じて分かりやすく指導でき、より効率よく教えたいことを獲得できるようになること
ができます。

ABAの知見は、療育だけではなく、医療や教育や企業、スポーツ等と、幅広く活用されております。

ABAの基本的な考え方

①行動を変えるためには環境を変化させること、すなわち、より望ましい関わり方を 行動は、個と環境の相互作用によってつくられます。
そのことから、子どもを取り巻く人・物などの環境が、より子どもにとって望ましい物であることで、子どもの良い行動を増やし、同時に不適応な行動を減らしていくことができます。
②不適切な行動を減らし、適応的な行動を増やすためには 適応的な行動を増やすためには、子どもに合わせた褒美が必要です。お腹いっぱいの子どもにお菓子をあげても褒美とはなりにくいように、子どもにとって何が褒美かを査定する必要があります。
同時に、不適切な行動を減らすためには、その行動自体が起こらないように環境設定を行うとともに、褒美を控えます。褒美は「褒める」など、一般的にイメージするものだけでなく、「叱られる」ことも褒美となっていることがあります。
上記を踏まえたうえで、適応的jな行動には、それを増やすためのきっかけ【先行刺激】(例:促し・指示など)と褒美【結果】を、不適応な行動にはそれが起こりにくい環境設定【先行刺激】(例:脱走させないために柵を作る)と、その行動自体に褒美を控える【結果】、あるいは代わりの行動を教えていくこと【代替え】が必要です(ABC分析による)。
③子どもへ学習を促すためには
子どもが効果的に学習をするために、動機(褒美)も大切ですが、同時にスモールステップが大切です。
行動は、複数の動作によって成り立っています。トイレを例にしても、20個以上の動作に分けることができます。
そこで、行動を1つ1つの動作に分解し、その1つ1つをしっかりと教えていくことで、子どもはより分かりやすく学習をしていくことができます。

ABAを学ぼう

ABAの普及のため、まだABAを良く知らない人が読んでもわかりやすく書きました。
もしお時間があればご覧ください。

良い行動を増やして周りに褒められるようになって、よくない行動を減らしてあげて、その教え方をわかりやすくしてあげるっていうのが、簡単な話ABAなのです。

少し細かく話すと、ABAって「応用行動分析」を指し、環境をどのように変えれば行動の頻度が変化し、また、新しい行動を獲得していくのか、これを理解する学問です。
つまり、簡単に説明すると、「子どもの起こしている行動は、環境が大きく影響する」ということです。 例えば、皆が肯定的に注目してくれている場所でのプレゼンテーションでは、力が発揮できるでしょう?だけど、ブーイングの嵐では、力が出せないことがありますよね。
つまり、環境を良くすることで、良い行動を出していこう、スムーズに教えたいことを教えていこう、と、言うものなのです。

しかし、さっきの例で、どれだけ力が出せるか、とかは、個人差があるでしょう?その個人差を理解することができるものがABAなのです。

力が出せているかを見るために、しっかりと様子を見ていく。そこでの表情、伝え方、姿勢など、変化を細かく査定していきます。これを、「個の物差し」と考えます。
すぐにできる人もいれば、そうでない人もいますよね?
そうでない人でもゆっくり成長していきます。その人に対して、「本当はもっと~」とか言ってしまうと、やる気をなくしてしまいますよね?

頑張りたいという気持ちを出せるようにするためには、褒められることも大切ですよね。これを「強化」と言います。
「動機」をしっかりと設定してあげて(動機付け)、それまでの道のりをわかりやすく教えていくことが大切ですよね?
そして、一歩一歩個人の進み具合に合わせて細かく教えてあげることが大切ですよね。これを、「スモールステップ」と言います。 進んでいくためには、目標があります。「どうなって欲しい?」という目標をしっかりと設定してあげることが大切です。何をもって「達成なのか?」、これって私たちでも難しいですよね。だから、ゴールを設定してあげることが大切ですね。これを「ターゲット行動」と言います。
でも、たくさん設定し過ぎて、それをいっぺんにやっても、お互いしんどいですよね?だから、できそうなことから始めていくとお互いに楽でしょう。これを「ポイントシステム」と言います。

頑張っていても、途中で寄り道したくなりますよね。でも、子どもだと特に寄り道したまま迷子になってしまいますよね。そのために、「寄り道しても面白くないよ」「こっちの方が素晴らしいよ」って教えることが大切です。それを、「強化と弱化」と言います。弱化を使って、寄り道が楽しくないとわかってもらい、真っ直ぐに進むことを「強化」して、良い行動を教えてあげます。 これって、誰にでも当てはまりますよね?障害を持っているとか関係ないでしょう?本当はみんな必要としていることですよね。

発達に遅れを持っている子ども達は、しばしば周囲は成長に気付きにくい。より気付きにくいことがあるんですね。でも、気付かないと評価されないですし、折角できるようになったこともやらなくなってしまうかもしれないです。

だから、細かく見てあげると良いでしょう。細かく見られれば、保護者の方も成長を喜ぶことができて、ストレスが減るでしょう。
そうすれば、子どももより成長していきます。

子どもが元気に生活し、褒められる毎日を過ごせるって、素晴らしいと思いませんか?周りも子どももみんな元気になりますよね。

子どもも成長します。子どもを取り巻く周りの人の「目」も変わりますよ。もちろん親が何よりも。そうやって、だんだん「目」が変わって、子どもを理解してくれる人が増えるのも、ABAならできますよ。子どもの成長がしっかり見えるようになるんだから。

そのためにABAがあるのです。

まとめ
ABAとは
(1)不適応行動を減らし、適応的な行動を増やしていくこと (2)できるためのプロセスを作るという事 ・目標を設定(絞る)すること(たくさんやっても疲れてしまいます)
・目標までの道のりを作る、そしてその目標は長期的でもあるという事
・目標は短期目標をたくさん作るという事
(そのほうがステップしやすいしたくさん褒められるということ)
(3)よりよく周りが変わるという事(周りが変化することで子どもも変化する)
いかがでしたか?
もっと勉強されたい方、興味のある方は以下もご覧ください。
ペアレントトレーニングを受けられるための資料ですが、よろしければ上記タグをクリックし、資料(PDF)を読んでください。
尾串光康

ABAによる療育

ABAによる指導の動画になります。 わかりやすくお伝えするために、解説を交えて、実際の指導の様子をご覧いただけます。 この動画は、主に、ABAをまだ知らない方を対象として、ABAによる療育の理解の普­及のために作成しました。 ご興味があればご覧ください。
登場人物
●尾串光康(当会理事長)
●尾串光康の教え子
●西村博美(一般社団法人てんとうむし)
*一般社団法人てんとうむし、および尾串光康(当会理事長)は、この動画の著作権を放棄していません。よって、いかなる場合でも、無断転載など、動画の閲覧以外の目的で利用された場合は、法的処置を取ら­せていただきます。